1

がっこうの帰り道でじっそうせきのしたいを見つけた

冬になるとえさが少なくなるから、えさをさがしに公園からでて車にはねられるって
パパが言ってたっけ

少しかわいそうだな、とぼくは思った

2 じっと見ていたら、こじっそうのしたいの手が持っている
布のふくろがモゾモゾ動いてるのに気がついた
3 どきどきしながら棒でふくろの口をめくってみると
うじじっそうが動いていた

うじとぼくの目が合った
4 「レフレフー?」
うじじっそうはぼくを見てニッコリ笑った

じぶんより大きなぼくに
とても弱そうなうじじっそうが
やわらかいおなかを見せて

こころの中まで笑顔しかないような
そんな顔でわらっている

それを見ていたら
なんだかいままでに感じた事のないような
とても、ふしぎな気持ちがした
5 ぼくはうじじっそうをそっとつまんで
手のひらに乗せた

うじじっそうは、とてもかるくてやわらかく
ふんばる小さな足の感じがくすぐったい

「レフレフ?レフレフー!」

うじじっそうは手の中で鳴いている
まるでぼくに何か話しかけているみたいに


ぼくはこのうじじっそうを飼うことにした
6 ぼくは、うじじっそうを持って家に帰った

ママがリビングの電話で誰かと話しているのが聞こえる

うじじっそうを飼うのはママにはひみつにすることに決めていたから
ぼくは何も言わず自分のへやに向かった
7 「レフー…レフ…」
手をひらいてみるとうじじっそうは眠っていた

…手の上でウンチをされちゃった
どうぶつだからしょうがないや
8 うじじっそうが何をたべるのか
どんな風に飼ったらいいのか、全然わからないので
いつもパパとママの事を相談しているけいじばんで聞いてみる事にした

「うーん、実装石を飼うの?」

カウンセラーの人は、困ったような感じで、なぜ飼いたいのか
どうしても”実装石”が飼いたいのか聞いてきたけど、
ぼくが何度もお願いするとウジ実装のことを教えてくれた
9 「実装石は人と話す事ができる」って聞いて、ぼくはワクワクした
すぐにケータイの「リンガル」の使い方を教えてもらって、ウジ実装に話しかけた

「…ウジじっそう…んー、うじちゃん?ぼくの言う事がわかるの?」
「わかるレフー。ウジちゃんの声聞こえるようになったレフ?よかったレフ!」

ペットと話ができるなんて!
ぼくは夢中でウジちゃんと話した

住んでいたお家のこと、好きなごはんのこと、お姉ちゃんとママのこと
家族がしんじゃったことは、ウジちゃんは知らないみたいだった

「ニンゲンサンはウジチャをどうしてオウチにつれてきたんレフ?」
「…きみのママに…飼っていいって言われて、もらったんだ」
「ウジちゃん飼ってくれるんレフ?レッフーー!!」

ウジちゃんは何度も、うれしそうに鳴いた
10 家にいる間
ぼくは朝も夜もずっとウジちゃんと遊んだ

ぼくにボールを転がしてほしいとねだるウジちゃん
おなかをぷにぷにしてほしいとねだるウジちゃん
体を洗うのもウンチのかたずけもぼくがしてあげた

なにかしてあげるたびにウジちゃんはピカピカのえがおでよろこんでくれる
ぼくはそれがうれしかった

でも、ぼくには一つだけしんぱいなことがあった
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